
音楽家・塚越寛之によるソロユニット。PsysExの糸魚健一にその才能を見いだされ、2003年に1st『paddle』をリリース。収録曲 『SwNH』はTBSテレビ「THE世界遺産」BGMにも採用されるなど各方面から評価される。2005年に2nd『Light court』、2006年に3rd『Velvet tiny globe』をリリース。2008年からは『鳴響』『渋響』をはじめとする一連の各地温泉郷でのプロジェクトに参加し、電子音楽と地域とのさまざまなセッションを繰り広げ、その新たな可能性は2010年発売の最新作『Tender grain』に結実。常に緻密で繊細な音世界を展開するアーティストである一方、テレビ番組のBGMなどの放送用音楽制作も数多く手掛ける職人的作家でもある。この夏、iTunes storeにて過去全タイトルをボーナストラック付きでリリース予定。

フュージョンの完璧な対象化。一歩下がって見てみれば違う景色が広がる。真に受けなくたって大丈夫。すべては絵空事、すべては夢うつつ。

とにかく「Till I DIe」と「Surf's Up」を。ブライアン・ウィルソンの深遠に寄り添いながら、統一感バラバラのこの1枚に意識は遠のいていきます。

コズミック・エレクトリック・ソウル。ブンブンうなるベースと重いビートがカッコよすぎます。スピリチャル・ジャズ&ソウルの進化系のような。たどり着くのは宇宙の彼方か。そこから浮世を俯瞰してみる。

いったいいつの時代の音楽なのかわからなくなるような。タイムマシンに乗って逃避行。ポップワールドに惑わされてるうちに元の世界までぐるっとひとめぐり。

はかなくて繊細なのに豊かな世界が広がる。どこか乾いてて突き放すようでもあります。ナイーブかつ軽快。おぼつかない足取りで逃げつく先は、きっとまだ見たことのない場所。

構成も曲も、全くすきの無い完璧な1枚。そして、むせるような濃厚な官能の世界(笑)。時々はこんなとこに逃げ込んでみるのもありかも知れません。

轟音ギターの壁の後ろに、繊細と虚無を抱えて逃げる、みたいな若者たち。美しい旋律とギターアンサンブルが光ります。フィードバック音に身を預ければ"どこでもない"所へトリップ。

佳曲の数々と甘い歌声にとろけて気持ちは彼方へ飛んでいきます。引いてるのにポジティブ。ポップと先鋭と音響の愉悦。うまくかわしていくことの大切さと強靭さ。
積極的に逃げてみるための音楽